図書室ブログ~その③~

作成日: 2021年09月8日 |カテゴリー: ブログ

在校生の皆さん、高校生の皆さん、こんにちは

いきなりですが、「門前の小僧、習わぬ経を読む」ということわざをご存知ですか?

お寺の門の前で掃き掃除をさせられている小僧さん、まだ弟子入りして日も浅いため、
師匠である和尚さんからお経を習うことができません。
来る日も来る日も下働きの掃き掃除ばかり。
しかし本堂で和尚さんの唱えるお経が風に乗って聞こえてきます。
それを毎日耳にしているうちに、小僧さんはお経の文句をすっかり覚えてしまいました。

つまり「平生見聞して慣れていれば、知らず知らずのうちにそれを学び知るようになる」(『広辞苑』)、
環境の与える影響力の大きさをいうたとえです。

なぜこんなことわざを持ち出してきたかというと、実は司書はこの小僧さんそのものだからです💡

 

司書は某大学の文学部で歴史学を専攻し、某大学院の文学研究科を修了した根っからの文系人間です。
高校時代は理数系の科目を真面目に勉強すること自体放棄していました(よく卒業できたものだ)。
趣味は読書、好きな作家は谷崎潤一郎村上春樹、ここ数年のブームは中国古典文学。

そんな人間がいかなる運命のめぐり合わせか、理数系の看護専門学校の図書室に採用されたのですから、さあ大変。

司書さん!ALSの資料出して!」「腹水穿刺のDVDある?

と訊かれても、エーエルエスってなに?ふくすいせんしってなに?(←そもそも漢字が分からない)

しかし司書として図書室を受け持つ以上、「自分は文系人間だから分かりません。あなたたちで勝手に探してください」
なんて言い訳は通用しません。分からないなら勉強するしかない。
どうやって?実際に資料に触り、内容を把握し、必要な情報を探すという経験をひたすら重ねることです📚

 

司書は図書室にある全ての資料を読む必要はありません。
第一そんなことは現実的にたいへん難しい。
ただ、ALS(筋萎縮性側索硬化症)を調べたいなら脳神経疾患運動器疾患
腹水穿刺なら看護技術消化器外科、というように
どの資料を見ればそれが分かるか」というツールが分かっていればいいのです 😎


 

おかげさまで図書室に生息するようになって今年で10年目、司書はALSがどういう疾患なのか、
腹水穿刺はどうやって行うのか、一向に理解できていません。けれどそれらが載っている資料なら即座にお出しすることができます。

皆さんも「調べたいことがあるけど、何を見ればいいのか分からない!」という時は、どうぞ遠慮なく司書に尋ねてくださいね。
喜んでお手伝いさせていただきますよ!

では今回はこれまで。